何となく熱海。

あまりに暇な夏休みを持て余して、ぶらり電車に乗って、終点まで。うちの近所のローカル線の終点はJR線に接続してるんで、そこから何かと経て東海道線。乗った電車の終点だった熱海まで行ってきました。
目的は全くもってなっしんぐ。うん。温泉でも入って帰ろう。


駅は一つしか降りてないんで、ちっとも途中下車の旅じゃないんだけど、頭の中に流れるのは滝口順平ヴォイス。

いやー。着きましたね。熱海。
「なぁーんにも計画立てないで来ちゃいましたけど、これからどうするんですかぁ?」滝口順平さんの声で)
熱海って言ったら、海と温泉!いきなり温泉ってのもなんですから、まずは海に行ってみましょうか。今日は暑いから、海水浴日よりだー。
「だー!って、あらぁ?そんな細い道入っていっちゃって、海までの道、ご存知なんですか?」滝口順平さんの声で)
海ってのはね、一番低い位置にあるもんですから。坂を下っていけば、いつか海に着くんですよ。
「そんなもんですかねぇ?」滝口順平さんの声で)
ほら!”海水浴場近道”ですって。この細道を行けば、海水浴場ですよ。
「なぁーんか、うまくいっちゃいましたねぇ」滝口順平さんの声で)


話がちっとも進まないので、普通の口調に。
さすが夏休み。海水浴場は人でにぎわってましたよ。当然のことながら水着の人がいっぱい。暑い中、背中焼いたり、ビーチバレーしたり。楽しそうだなあ。
全く関係ないんだけど、昨日、見るともなしに流していたテレビ番組でやっていた、「あんまりに水着の似合ってない女の子に、林マヤがチョイスした最新水着を着せて、何かおしゃれになったような感じにしよー!」みたいな企画で着せていた、まさにそれと同じ色、形の水着を着ている人がいて、ちょっと面白かった。まぁ最新流行水着を着せたわけだから、同じのを着ている人が他にいてもおかしくないよね。


海岸通沿いにある、お宮の松も見てみる。貫一お宮の像を見ながら、
「ほぅ、貫一はびみょーにソバット気味に蹴りを出してるんだなあ」
とか思ってみるも、それを話す相手がいない(だからここで書いてるんだけどね)。
「”金色夜叉”って”紅夜叉”のヴァージョンアップ版っぽいよね」
とも思ってみたものの、多分その場では言わない(ここでは言うけどね)。


大湯間歇泉を見たり、そこに建てられたトビー(外人の飼ってた犬っころ)の墓を見たりして、何となく時間をつぶして、立ち寄り湯へ。
あ、ちなみに、「犬の墓ってなんだよ!」と思うなかれ。いや、ぼくは思ったんだけど。
トビーは、初代英国公使の飼っていた犬なんだけど、この人、富士山に登った初の外国人なんだって。と、それは関係なくて、彼は富士山に登ったあと、ぶらりと熱海に立ち寄ったらしいんだけど、そのときに、愛犬トビーが間欠泉のお湯を浴びて火傷を負って、死んでしまったんだそうな。ときの村人はその愛犬を非常に丁寧に弔って、英国行使はそれにいたく感動したんですって。で、その感動を祖国に伝えて、当時、生麦事件やら英国公使館襲撃事件やらで、非常に悪かった海外での日本の評判を、回復させることに努めたんですってよ。で、事実、本国(イギリス)では回復しちゃったんですってよ。
うん。大名行列を横切ったイギリス人を斬りつけても、犬の葬式を挙げればOKっていうお話(いや、賠償金も払ったし、薩摩とイギリスで戦争も起こしたけどね)。


話がずれたけど、立ち寄り湯でまったり。…でもすぐに飽きてきちゃって、あがる。多分、人と一緒にいた方がゆっくりできるってタイプの人間なんです。ぼくは。うん。何か矛盾してる気がするけど、そうなんだからしょうがない。
聞くともなしに聞いていた、途中で入ってきた、今年から大学生になったばかりくらいの男の子三人の会話が面白かった。
どうやら一人(一番うるさいやつだった)が、最近、別れた彼女と出逢った様子。
「逢っちゃったの?」
「だって、遊びに誘われたんだもん」
「二人で?」
「いや、グループで」
「断らなきゃー。逢っちゃったら、ダメだよ。」
「未練出るよなあ?」
「断れないって。だって、そういうグループなんだもん」
「グループのやつらも知ってるんでしょ?」
「いや、知らない。何か雰囲気わるくなったら嫌じゃん?」
「何人なの?グループ」
「7人」
「男女比は?」
「男3に、女4」
「あー」
「断りにくいだろ?」
「いや、断れよ。で、俺とこいつで行くからさ。ちょうど4対4になるし」
「そんなのダメだよー」
うん。残りの二人は、ちっとも別れたやつの苦悩を解消する気はないね。まぁできるもんでもないけど。
ちなみに実際は西の方の言葉だったんだけど、ちょっと再現ができなかったんで、ぼくの知ってる言葉遣いで勘弁。


日が落ちて涼しくなってきてたので、コンビニで缶ビールを買って海辺で黄昏…と思いきや、近くにヒップホップ流しながらスケボーの練習してるグループがいて、ちっとも黄昏ていない。いや、いいノリしてたけど。
水上バイクみたいなのに女の子を乗せて遊んでる人達がいて、何となく見ていたら、楽しそうだった。半裸の婦女子を後ろに乗せて、急ターンや上下運動で、密着度もアップ!しばらく見てたら、女の子たちを陸に下ろして、女の子たちは陸にいた他の仲間と合流。男たちはまた海に遊びにいってたから、そもそも全く関係ないグループだったみたい。あれだ。夏は水上バイクですよ?お兄さん方。
いや、ぼくはいいです。


帰りの電車の中でうとうとしてたら、目が乾いて、コンタクトが装着不可能状態に。しょうがない、コンタクトは破棄(ワンデイなのです)してメガネに…と思ったら、メガネを持ってきていなかった。不覚。
ちなみにぼくの裸眼視力は0.1未満。そのあと二回乗り換えがあったんだけど、まぁ何度も来たことのある駅だったんで、めくら状態でも何とかなったんだけど。最寄駅からも、できるだけ人通りの少ない道を選んで無事帰宅。最後の最後でムダに冒険だった。


今日の教訓
・遊びに行くときは誰かと一緒に。
・コンタクトでも、メガネは忘れずに持つ。
…いやー。メガネを忘れることは稀なんだけどね。


家に帰ると、ケーキがありました。あー、そういえば今日はうちの父親の誕生日だった…。
今日の教訓(追加)
・家族の誕生日は忘れない。